企業知財部員のための特許法勉強ノート

知財関係で働いています。勉強している特許法についてまとめたノートを公開していきます。 一緒に特許法を勉強しましょう!

出願手続きに関する通則2

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前回の続きです!

目次
1 出願手続きに関する通則
 (6)手続の効力の承継等
  (A)手続の効力の承継
  (B)手続の続行
 (7)手続の停止と解消
  中断
  中止
  停止の効果
  停止の解消
 (8)送達
  送達する書類
  送達方法
   ①交付送達
   ②郵送に付する送達
   ③公示送達
 (9)出願手続を追行できる者
  委任代理人
  複数当事者の相互代表
  代理人強制(例外)
   ①未成年者及び禁治産者
   ②在外者(日本国内に住所又は居所(法人にあっては営業所)を有しない者。
  特許管理人
  代理人の改任
  弁理士

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 1 出願手続きに関する通則 
(6)手続の効力の承継等
  (A)手続の効力の承継
特許出願人,特許権者その他特許に関する権利を有する者がした手続,又は特許出願人等に対し特許庁や相手方がした手続の効力は権利の承継人にも及ぶ(§20)。1)
⇒ 特許出願人甲に対する拒絶理由の通知書発送後に,特許を受ける権利を乙が承継した場合でも,さらに承継人乙に拒絶理由を通知する必要が無い。

  (B)手続の続行
事件が特許庁に係属している場合において,特許を受ける権利等の移転があったとき
⇒ 特許庁長官(又は審判長)は,承継人に対して,手続を続行することができる

 (7)手続の停止と解消
停止:手続の中断と中止がある

  ・中断
手続中に当事者(手続追行者を含む)が交代しなければならない理由が発生した場合に,新しい追行者が交代し,手続に関与できるようになるまで手続の進行を停止して,その当事者の利益を保護するための制度
  ・中止
①天災その他の事故により,特許庁が職務を行うことができないとき
②当事者の故障により手続を続行することができないとき

 (8)送達
・民事訴訟上の概念で,一定の方式の下で訴訟上の書類の内容を当事者その他の訴訟関係者に了知させる目的でする行為。

・特許庁が,出願人,審判請求人等の当事者又は利害関係人に送る書類であって,名宛人の権利・利益に関して重要な意義を持つものを送達の対象としている

  ・送達方法:大別して次の3つがある。
   ①交付送達:書類を名宛人に現実に交付する,いわゆる交付送達。
   ②郵送に付する送達
・交付送達ができない場合及び審査に関する書類の送達をする場合には,書留郵便に付する送達(①の郵便による送達と異なる)による。
・発送の時に送達があったものと見なされる
   ③公示送達:名宛人の送達場所が不明な場合には公示送達による(§191)

 (9)出願手続を追行できる者
・特許を受ける権利を有する者でなければ適法な出願をする事が出来ない。
・特許を受ける権利を有していない者も出願することはできるが,その出願は拒絶理由(§49(6))及び特許無効の理由(§123-1(6))を有する不適法な出願である。
・特許を受ける権利が共有に係る時は,共有者全員でなければ特許出願できない(§38)。
・出願人は,出願手続きを自ら行うこと(本人出願)と,他人に委任して進めることも出来る。
 
   *委任代理人
    特別の授権 注1)を得なければ,
    ①特許出願の変更,放棄若しくは取下げ,
    ②特許権の存続期間の延長登録出願の取下げ,
    ③請求,申請若しくは申立の取下げ,
    ④拒絶査定に対する審判(§121-1)の請求,
    ⑤特許権の放棄又は ⑥復代理人の選任 をすることができない(§9)。
なお特許庁長官又は審判長は,本人が手続をするのに適当でないと認めるときは,代理人によるべき旨を命ずることができる(§13-1)

   注1)特別の授権
委任状に単に出願に関する一切の件とあるだけでは,特別の授権にならない。§9に挙げられている行為を特記して初めて特別の授権となる。

  ・弁理士
・弁理士でない者は,報酬を得る目的を以って,特許庁に対し為すべき事項(国際出願を含む)等の代理等を業としてすることはできない(弁理士法§22の2)。
・弁理士は,相手方の代理人として扱った事件及び裁判所又は特許庁に在職中に扱った事件については,その業務を行うことはできない(弁理士法§8-1)

以上でーす!

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