企業知財部員のための特許法勉強ノート

知財関係で働いています。勉強している特許法についてまとめたノートを公開していきます。 一緒に特許法を勉強しましょう!

出願審査請求

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今日は審査請求について勉強しましょう!

目次
1.出願審査請求
 (ⅰ)趣旨
 (ⅱ)請求期間
 (ⅲ)請求人
 (ⅳ)請求手続:§48の4
 (ⅴ)請求の広告:§48の5
 (ⅵ)請求の効果
 (ⅶ)優先審査制度:§48の6
 (ⅷ)早期審査制度

 1.出願審査請求 
 (ⅰ)趣旨
  出願とは別に一定期間内に審査請求の手続きをしたものについてのみ審査をする制度。
  →出願人が出願をする目的や、出願発明の経済的・技術的価値を各出願間で著しく相違するという経験的事実を前提とする。

 (ⅱ)請求期間
  審査請求は、何人も出願の日から3年以内にすることができる。但し、分割・変更出願の場合は例外とする。

  ・なぜ3年か?
   長期間にわたり権利の決着が未確定な出願が存在することによって、次のような不利益を第三者に与えていた。
   ①未請求案件の発明の詳細な説明までチェックして事業を進めるのは困難
   ②特許侵害をおそれるあまり、不当に広い範囲のクレームであっても製品の設計変更や代替手段の準備を強いられる
   ③審査請求や補正の有無を常に監視する必要が生じてしまう
  
 (ⅲ)請求人
  何人でも可能。
   →当該発明を実施したいと考えている等の第三者が早くその出願に決着をつけたいと考える場合があるといった要求に応えるため。

 (ⅳ)請求手続:§48の4
  所定の請求書の提出と審査請求料の納付が必要。
  第三者が審査請求をした後、明細書の補正又は補正の却下により増項したときに納付すべき請求料を出願人が納付しないときは、第三者のした審査請求手続を却下するのは妥当ではないので、出願そのものを却下することとする。
  審査請求料は減免制度がある。

 (ⅴ)請求の広告:§48の5
  出願審査請求があった旨を公報に掲載しなければならない。(1項)
   ・出願公開前→出願公開の際又はその後遅滞なく
   ・出願公開後→その後遅滞なく
     第三者から審査請求があったときは、その旨を出願人に通知しなければならない。(2項)
  
 (ⅵ)請求の効果
  出願は請求順にそって審査を受けることになる。また、一度した審査請求は取り下げることはできない。
  →審査が着手されている可能性があるため

 (ⅶ)優先審査制度:§48の6
  特許庁長官が必要と認めるときは、審査請求の順序にかかわらず、審査官に他の特許出願に優先して審査させる制度。
  これは、特許出願人でない者が、特許請求の範囲に記載された発明を実施していると認められる場合である。優先審査をするかどうかは、あくまでも特許庁長官の裁量である。

 (ⅷ)早期審査制度
  実施関連出願を申し出により、可能な限り早期に審査し、処理しようという制度である。
  早期審査を申請した出願の平均審査順番待ち期間は、早期審査の申請から約1.7か月となっており(2010年実績)、通常の出願と比べて大幅に短縮されている。
 早期審査の対象となるのは、
   ①実施関連出願
   ②外国関連出願
   ③中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願 
   ④グリーン関連出願 
   ⑤震災復興支援関連出願である。

以上でーす!

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