出願手続きに関する通則1
今回は特許を取得するためのスタート地点である出願手続きについて勉強しましょう!
今回も二回に分けます!
目次
1 出願手続きに関する通則
(1)書面による手続
(2)願書等の書類提出の効力発生時期 -発信主義か到達主義か-
郵便局に差し出した日時
国際出願の出願日
(3)1件1通主義
(4)日本語主義
(5)期間・期日
(A)期間の計算
①期間の起算点
②期間の満了点
(B)期間の延長等
法定期間の延長
指定期間の延長
期日の変更
1 出願手続きに関する通則
(1)書面による手続
・原則として書面=いわゆる書面主義(現在は電子化:オンライン手続あり)
・例外
審判・最新における除斥・忌避の申立がある(§142-1ただし書等)
(2)願書等の書類提出の効力発生時期 -発信主義か到達主義か-
明細書等の補正書(§17の4)
拒絶理由に対する意見書(§50) など
・郵便局に差し出した日時=特許庁に到達したと見なされる日時について
✓日時を郵便物の受領証により証明したとき :その日時
✓通信日付印により表示された日時が明瞭であるとき :その日時
✓日のみが明瞭であって時刻が明瞭でないとき :表示された日の午後12時
✓通信日付印により表示された日も明瞭でない :到達主義により現実に到達した日時
国際出願の出願日
・国際出願が特許庁に到達した日を国際出願日として認定@PCT§11(1) :到達主義
・これ以外の特許庁に対する書類(提出の期日が定められているもの) :発信主義
(3)1件1通主義
・書面は,1件毎に(出願の場合は1出願毎に)作成しなければならない(特施則§1-2)。
・例外として1件につき1通以上が必要な場合:相手方がある場合(副本の提出)
(4)日本語主義
・書面は,日本語で書かなければならない
・委任状,国籍証明書その他の「書面」であって,外国語で書いたものには,その翻訳文を添付しなければならない(特施則§2-1,2)
(5)期間・期日
(A)期間の計算
①期間の起算点
・初日不算入の原則
・ただし,その期間が午前零時から始まるときは,この限りでない(1項1号)
例
・期間が延長された場合の,延長の初日については,経過直後の初日が算入される
・「…の日の翌日から起算」と規定してあるものの「翌日」は期間のうちに参入される
②期間の満了点
・期間を定めるのに月又は年をもってしたとき
:暦に従う
・月又は年の初めから期間を起算しないとき
:最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する
⇒ 期間の末日が「行政機関の休日に関する法律」に掲げる日 :翌日を末日とする
⇒ 最後の月に応当する日が無いとき :その月の末日に満了する(1項2号)
例
・拒絶査定の謄本が昭和55年11月29日送達された場合,これに対する審判請求をすることができるのは,その日から30日の同年12月29日までである(§121-1)が,§3-2により,56年1月5日(1月4日は日曜日)までである。
・上記の場合において,審判請求期間が2ヶ月延長されたときには,55年12月29日から2ヶ月の56年2月28日(§3-1(2))までである(56年1月5日から2ヶ月の3月5日までではない。
⇒ 判決理由:2ヶ月延長された場合には,付加された期間は元の期間と一体をなす
= §3-2を適用する余地は無い
手続についての期間でないもの
特許権の存続期間等については§3-2の適用が無いことに留意すべき。
(B)期間の延長等
・法定期間:特許法又はこれに基づく命令(特許法施行令・施行規則)の規定により期間の長さが定められているもの。特許権の存続期間(§67)など。
*法定期間の延長
・特許庁長官のみが行う。
・請求又は職権による場合(§4)と,請求のみによる場合(§108-3)がある。
・指定期間:特許庁長官,審判長又は審査官等が特許法,施行令に基づき指定する期間(法令は「相当の期間を指定して」と規定するもの。
例えば,拒絶理由に対する意見書提出期間(§50))など。
以上でーす!